> 東海地震の想定震源域にある中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の周辺住民らが「巨大地震を考慮した安全対策が取られていない」として、同社を相手取り1〜4号機(いずれも沸騰水型軽水炉)の運転差し止めを求めた訴訟の判決が26日、静岡地裁であった。
宮岡章裁判長は「東海地震だけでなく東南海・南海地震と連動した場合にも耐震安全性が確保されており、原告らの生命、 身体が侵害される具体的な危険性は認められない」とし、住民側の請求を棄却した。原告らが申請した運転停止の仮処分も却下した。原告は、判決を不服として 控訴するとともに仮処分の却下についても即時抗告する…
(2007年10月26日13時57分 読売新聞 YOMIURI ONLINE)
笑える、としか言いようがない判決である。
阪神淡路大震災の被災地の映像は、まだ生々しい記憶として頭に残っている。高速道路が倒れた映像も衝撃を与えた。
それまで日本の耐震基準を満たしている建造物は、いかなる地震にも『絶対に安全だ』と言われてきた。それがいとも簡単に倒れた。
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「想定を超えるエネルギーの地震だった」「設計に問題があった」「施工に欠陥があった(空き缶入りコンクリート)」などなど。理由は後からいくらでもつけられる。大事なのは
現に倒壊したという点である。
所詮科学は、人間の小さな知恵の中の一つである。人間の想定を超える地震も起きて当たり前である。さらに設計ミスもある。施工不良もある。阪神淡路大震災では、壊れなかったものの方が少なかったのである。
さらに先の新潟県中越沖地震によって、東京電力柏崎刈羽原発が被害を受け、火災のみならず放射能漏れまで起こしていた。
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いくら言い訳をしたって無駄である。事実高速道路は倒壊したのである。事実原発は放射能漏れを起こしたのである。
電力会社も(国も)言っていたな。「原発は、断層の走っていない強固な岩盤の上に建てられており、マグニチュード8クラスの地震が来てもびくともしません」と。
でも実際には原発付近に断層だらけだそうじゃないか。それに対して「建設当時は断層の存在を確認できませんでした」だと。この言葉が科学の限界を端的に表している。
それでも安全である、と宮岡裁判長は判決を下した。もしこれで浜岡原発にトラブルが起きた場合、宮岡裁判長はその責任を取るのであろうか。
民主主義先進国のアメリカを見て判るように、裁判所は時の為政者に都合のいい判決を下すのである。日本国憲法にも「内閣が最高裁判所長官を指名する(6条)」とあるように、司法は行政に従属している。三権分立などというのは嘘だ。
大阪高裁第7民事部総括判事の竹中省吾裁判官が平成18年12月、自宅でパソコンラックで首つり自殺をした、とされている。竹中裁判長は「拒絶している住民に対する住基ネットの適用は違憲である」との判決を出した裁判官である。
元々、民主主義における司法は決して独立している訳ではなく、さらにこのように大きな力に楯突く判決を下した裁判官は死に追いやられる、ということになれば、誰もその大きな力に抗ってまで、正義を貫こうという裁判官はいなくなるだろう。
原発肯定は、大きな力による上からの絶対命令なのである。だから形式上は三権の一つである司法であっても、その命令には逆らえない。この判決は最初から結果ありきの判決である。
【今日の詐欺師(手先):裁判官】